朝来山登山記

水野 敬
2006/04/22

 城址と家具の町として有名な和田山町竹田から、桜の里として名高い立雲峡をふ
もとに、多々良木渓谷を一望。朝来山→伊由峠→青倉山→黒川温泉→直谷の頭→白鷺小屋
というルートを開拓しようと、意気込みはすばらしかったのですが・・・

Figure 1:付近の地形図。赤線が、今回通った路。

 この日は睡眠時間が3時間半しか取れなかった上、朝飯は焼きそばパンだけとい
う、ふらふらな状態だったせいか、ペースが上がりませんでした。朝10時に、竹田駅で
同期の妹尾君と待ち合わせ。竹田駅より徒歩で、立雲峡の入口まで30分くらい。11時半
くらいまでに、立雲峡の駐車場にたどり着きました。立雲峡は桜の名所として知られてい
ますが、ピークはこの前の週くらいで、すでに散ってしまったあとでした。立雲峡から、
愛宕神社といわれる、山上の方の社まで、歩くこと約30分くらい。そこから林道に出る
と、ため池があり、付近にあずま屋が立てられています。ため池の周囲の桜はまだ咲いて
いました。

Figure 2:ため池で見た桜。

 ため池付近から、より山上の林道まで、ショートカット。林道を歩き詰めた先に、
踏み跡があり、そこからいよいよ本格的な山登りになります。道は、テープが巻いてある
だけで、ほとんど整備されていません。また、急斜面のうえ泥質で、靴がつるつる滑って
困りました。朝来山まで登るのにも3時間は要しました。

Figure 3:朝来山山頂にて記念撮影。

 朝来山山頂は展望が利かないが、東に数分歩くと、地元の観光協会あたりが切り
開いたのか、(「フロンティア2004」とか書いてあったような気がする)、展望台があ
り、見晴らしがきれいです。ここの眺望はなかなか良くて、粟鹿山から、竹田、山東、和
田山の集落を見下ろせる、今で言う「朝来市」を一望の下にできるので、さすが「朝来
山」だと思います。円山川西岸の、氷ノ山から連なる山々が迫り、その先端に竹田城址が
船のように浮かんでいるのがよく分かります。ここからは、立雲峡の東にある少年自然の
家まで、北側斜面に沿ってしっかりとした登山道が整備されています。ほとんど階段だら
けなので、こちらから登っていたら興冷めだったかもしれません。

Figure 4:朝来山展望台より北方を望む。

 朝来山から青倉山への縦走道は、「くまルート」と書いた看板(階段の終点)か
ら、分岐しています。東方の683メートル峰までの稜線は、踏み跡程度の道で、木が高
いので眺望などはほとんど見えません。683メートル峰付近は、なだらかなため、道
に迷いやすそうです。北方の山東町方面への眺望は開けていますが、伊由峠に降りる道
は、とうとう見つかりませんでした。残念無念。伊由峠への縦走ルートは、尾根筋が分か
れて、どこが主な稜線なのか分かりにくいうえ、通る人がいないせいか、どの尾根もブッ
シュとヤブに覆われ、道など無い状態であった。テーピングも、683メートル峰の頂点
のあたりで途切れ、町界標がところどころ確認できる程度でした。伊由峠から青倉山まで
のルートも確認できず。青倉山から青倉神社、黒川温泉付近へのルートは、あるらしいの
ですが・・・。後日、伊由峠付近に車で行って調査しましたが、縦走路らしいものは見当た
りませんでした。

 ちなみに、青倉神社までは、黒川温泉から車で10分程度で行けます。青倉神社は、
古くから眼病を治す神様として知られている(付近の水に硼酸が含まれているとのこと)
そうで、奥地にもかかわらず、すごい繁盛ぶりでした。


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