手前味噌ですが、思い出を綴ってみました。
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前日にようやく松近に連絡がとれた。えらい風邪の様子だったが、
とりあえず姫路駅まで出てくるように言い含める。
さて、京都発11:32発の新快速で姫路着が12:57。ぎりぎりで集合時刻だ。
東口に出ると、もうみんな待っていた。さすがに今回は時間厳守。気合の入り方が違う。
松近が咳を漏らしながら、「まいど」と言ってきた。「さすがに、下見は行かれへん。」
なら、デジカメを貸してくれ、と強引に松近からデジカメを剥ぎ取った。
ところが、シャッターを押そうとすると、何度やっても失敗する。
シャッターと電源スイッチを間違えていたのだ。まあそれはええがな。
とにかく、黒川温泉へ行くぞ!と、車を走らせる。あっという間に生野町だ。
国道429号に入り、銀山湖のさらに上流に溯る。山が深くなる。民家が無くなってきた。
なんや、こんなとこにも私設のキャンプ場があるんやーとか思ってたら、そこが
件の民宿『せせらぎ荘』であった。路上に車を停め、挨拶に行く。
前には市川の源流が流れ、山に囲まれた静かな場所だ。
ここのお宿は、水がおいしい。
しばらく雑談していると、のっそりとおじいさんが現れた。この民宿の大将、「長老」だった。
姫路駅東口で集合。おっさんばっかりやなー。
これが一晩お世話になった民宿「せせらぎ荘」。おばさんと若旦那さんと一緒に。
住所は生野町黒川字簾野です。
捕まえた! 大山椒魚だ!
逃げ出す大山椒魚
「せせらぎ荘」の長老。飄々とした、面白いおじいさん。
どことなく山椒魚に似ているような・・・・
長老:「あっこらへんは蛭がでまっせ」
岡村:「蛭なら、こないだ食われたわ。あれときたら、喰われてもなかなか気がつかんものでんな」
長老:「蛭だけでなく笹もかき分けていかなならんほどあるで。」
ヤブコギですか?嫌な記憶が頭をよぎる・・・。
長老:「しかし、あんなとこ、道があるんですか。」
岡村:「せやから、道を作るんですわ」
長老:「道を・・ほぉ。で、どこまで作るんですか」
水野:「とりあえず千ヶ峰から三国岳までは来てるから、そこから北へ、将来的には粟賀山から梁瀬、
さらに出石から日本海までつなぐんです。あるいは西は青倉、朝来山から播但線渡って、
段ヶ峰方面へ。東は三国岳から播磨峠を越えて氷上町方面へ。」
さすがに日本海というのは大袈裟だが、どうせヨタ話だ。夢は大きく。
「ほぉ、楽しみ方いうんは人それぞれでんなぁ。そういう楽しみもあるんやなあ」
長老は、なるほどなるほど、とひとりごとを言いながら、
「ほいでも、道が出来る頃にはあんたらくたばっとるな」
と、にっこり笑って毒舌を鳴らした。
岡村さんが、笑いこけた。
「ほうや、はよ山小屋建てんとなあ。」
いや、このおじいさん(長老)、まだまだ耄碌はしていない。
うっかりすると、パクッと噛み付かれそうである。
用水路に、40cmほどの大山椒魚がのたりのたり悠然と泳いでいた。
山椒魚なんて珍しいので、「大事にしてるんですか」と聞くと、長老、
「あんなもん殺したらええんやがな」と、予想外のお答え。
「あいつら、アマゴを食うさかいな。普段のそぉっとしてるやろ。目が離れてて
いかにもとろそうやけどな、魚捕まえるときには、すごい(素早い)で。」
へえっ・・こいつがねえ・・と、しげしげと離れた目をした山椒魚を眺めていると、
「マゴ(孫)食わんだけましやけどな。」と、長老はまたもカラカラと笑った。
そんな会話を知ってか知らずか、山椒魚は物陰に隠れてしまった。
あんまり面白いので、写真を撮らせてください、というと長老は
「わしなんか撮らんでも」とはにかみながら、笑顔を見せてくれた。
黒川ダムの近辺から青倉山登山口。急斜面。
偉大なる創部OB。吉田さんと岡村さん。岡村さんの着ているのは、
黒川ダムを見ながら小休止。
「姫路工大ワンダーフォーゲル部OB」のユニフォームなのだ。
ダム堤防より黒川本村を望む。あの山のはるか向こうが神埼町。
発電用風車を背景に記念写真
ロックフィル式ダムのきれいな石組み
黒川温泉で汗をながす
黒川ダムへ向った。
黒川ダムはロックフィル式で、その石組みは、壮観である。
写真をとっていると、吉田さんに「テロの事前調査やっとるのと疑われるぞ」と言われた。
たしかに、このダムを壊したら下の村落は水浸しだろう。
ダムのほとりから、青倉山方面に行く道がついている。この日はこの道を40分ほど歩いた。
ちょっとしたウォーミングアップである。
運動不足の身体にはちと辛かったが、下山して、温泉で汗を流すと心地良い。
温泉はそんなに大きくないのに人が多く、さながら芋洗い状態であった。
いい気分で民宿に戻ると、食事の用意が出来ていた。
ビールで乾杯。うまいのなんの。料理はアマゴ尽くしであった。
アマゴの煮付け、アマゴのフライ、アマゴの刺し身、アマゴの笹ずし、アマゴの塩焼き。さらに鹿肉鍋。
色々話をした。
今回は、なんだかいつもより楽しいぞ。
岡村:「OB会も、こういうところでOBだけでやったらええんや。中原君がそう言うとった」
水野:「そうそう、現役は現役の活動が本分やし、彼らにOB会を仕切らせたりして負担を
かけさせたらあかん。現役に期待しすぎたらあかんのですよ。」
妹尾:「そうやな、現役には頼らんとOBはOBで楽しみを見つけて活動していけばええのや。」
三輪:「まったくそのとおりです。」
吉田:「そうやって、OB会が盛り上がったら、現役もOBになったら、こんな楽しいことがあるんかとか、
もっと面白いこともできるんちゃうかとか、なると思うんですよ。」
小西:「OB会に魅力が出てきたら、おもろいですねぇ。」
岡:「そこでやな、そろそろ山小屋適地の探索は打ち切りにして、ここらで一つ、土地を決めへんか?」
水:「そうですねぇ。このままやってたら、だらけてしまいますからねぇ。ぼくは、前回行った、
千ヶ峰のふもとの休耕田の辺りがいいと思うんですが。」
岡:「わしもそうや。あそこがええ。あそこに決めよう。」
議論はいよいよ白熱してきた。明日が待ち遠しい。
しし肉鍋を囲んで
あまご料理に舌鼓を打ちながら。
気分はもはや修学旅行
みんなで雑魚寝 。布団で寝られるなんて・・・
・・・・・・・・(なんでこんな写真をとったんだか)