2.
バーベQ
今回の企画に参加できなかった方のために、参加メンバーを紹介しておこう。
まず大先輩方、岡村さん、板村さん、中原さん。我々(37期)以上の熱心さで、いつも参加
いただきありがとうございます。今回は吉田さんが来られていないのが残念でした。
次にちょっと先輩、相変わらず太ももピチピチな三輪さん。
そして37期のいつもの面々。一応名前を挙げておくと、我らがブチョ水野、鬼軍曹松近、
小西先生、それと私。
まあ、ここまではいつもの参加メンバーですが、今回は現役の皆さんが参加してくれま
した。坂上、中島、山名、土田、どうもありがとう。わかっていると思いますが、
一度首を突っ込んだが最後、
山小屋が完成するまでは
山小屋準備委員会から
抜け出すことはできません。
それは冗談として、現役が参加してくれた事は、とてもうれしかったです。
以上のようなメンバーで新田ふるさと村のキャンプ場にテントをはり、その晩はバーベQ
で宴を催した。真っ赤に燃える炭、網の上でうまそうに焼ける肉、そしてビール。デザー
トには川で冷やしておいたスイカ。実に正しい夏の過ごし方だと思う。
明日が午前4時起床である点を除いては。
3.
千ヶ峰
今回のコースは、まず新田ふるさと村から千ヶ峰に登り、千ヶ峰から縦走路を三国方面
に歩き、山小屋候補地の谷へ降りる、とその晩に決まった。
我々はいつも行き当たりばったり
なのだ。
次の日の朝、予定通り4時起床、出発はちょっと遅れて、6時過ぎだった。この時間だ
とまだ涼しい。
長い林道を抜けて薄暗い植林地を登っていくと、突然明るく開けた場所に出た。加美町
と神崎町の境界である稜線まで来たのだ。この稜線沿いに千ヶ峰を目指す。我々の遅々と
した歩みを太陽は待ってくれず、我々を容赦なく照りつけ始めた。さらに前の晩に雨が降
ったので、太陽に暖められて湿気をたっぷり含んだ空気(雲)が、山肌を這うように登って
きて肌にまといつく。とにかく1日通して暑かった。今シーズン通して流した汗
の量より、この1日で流した汗の方が多いのではないだろうか。
山頂はあいにくのガスで景色はよく見えない。周りに高い山がないため、ガスが出てい
なければ360°見渡せるはずなのだが。
しかし、どうしてこんなにトンボが多いのだろう。
4.
またに山
次に我々は縦走路を北上し、山小屋候補地を目指した。緩やかなアップダウンを繰り返
し、ちょっと角を曲がるとそこが「またに山」だった。なるほど、立て札には「またに山」
とある。疑う理由なんて何もない。ここが「またに山」なのだ。
またに山から1ピッチ歩いて昼飯にした。昼飯のメニューはおにぎり1個。あとは個装。
ちなみに朝飯は白飯と味噌汁。何だか貧相なメニューに聞こえるかもしれないが仕方ない。
そう、我々は初日の宴の準備に夢中で、次の日の朝飯はおろか昼飯のこともまったく考え
ていなかったのである。反省・・・。大先輩方が、塩と味噌を持ってきてくださったので何と
かなりました。ありがとうございます。
けど、昼のおにぎりは妙においしかった。使っている米は、
僕の部屋で眠っていた1997年
ものだったんだけどなあ。
5.
鉄塔と西雄岳
突然目の前に鉄塔が現れる。鉄塔の4つの足は、急な斜面にそれぞれ違う高さから立っ
ている。こんなところにどうやって建てたのだろうか。僕のささやかな知識と想像力を超
えている。たいしたものである。けど、緑豊かな周りの景色とはそぐわない。1974年生ま
れ。小西より1ヶ月後輩の鉄塔。小西より長生きするのだろうか?
そして、鉄塔のすぐ向こうには、「西雄岳」が待っていた。
さっきまでのなだらかな行程と打って変わって、心ときめく急斜面。道は妥協することな
く、まっすぐに山頂を目指している。
「おいおい、かんべんしてくれ」と口では言いつつ、みんなの顔はちょっとうれしそうだ。
「1次新錬のコースにしたらええコースやで」とみんな大絶賛だったけれど、
僕が大学1年生の春にこんなとこ
キスリング担いで 登らされていたら、
その後の3年間のワンゲル生活
はなかったと思う。
西雄岳の山頂はサイコーだった。霧も晴れて眺めはいいし、風もさわやかだ。歩いてき
た方角を見ると、すぐ近くに立派な形をした山がある。「あんなとこ歩いたかな。」と最初
は思ったが、どうも「またに山」のようだ。山頂ではなんとしょぼい山かと思ったが、こ
うして離れて見るとなかなか立派な山だ。さらにその向こうには千ヶ峰がかすんで見える。
ずいぶん歩いたなー。
9.野人に鉈
前回の下見会で来た分岐にやっとたどり着いた。これから本来の目的である、山小屋候
補地〜縦走路間のルート整備が始まるわけだが、みんなかなりお疲れのようだ。もちろん
僕も疲れて、ルート整備などどうでもよくなっている。ともかく、ここから下らないこと
には帰れないわけで、もうひとふんばりと歩き始める。
この先は縦走路から外れるので、ある程度荒れているであろうことは予測していた。し
かし、これほどとは。5月に来たときとは様変わりしている。地面が見えないほど羊歯植
物が生い茂り、ジュラ紀の森のようである。でっかい昆虫や歯の生えた鳥や巨大な爬虫類
が現れてもおかしくない雰囲気だ。
ここで活躍したのが、M近軍曹・N島伍長・T田三等兵の3人である。彼らに共通して
いた点は、右手に鉈を握りしめていたことである。3人は行く手をさえぎる枝や下草をな
ぎ払い、道に横たわる倒木には雄叫びを上げて踊りかかった。鉈を握っただけで疲れた人
間があんなに元気になるとは知らなかった。現役部員の方々にはぜひお勧めしたい。
合宿中疲れた者には鉈を!
10.到着
山小屋候補地周辺は5月に来たときとはまったく違う雰囲気だった。5月に来たときは
清流沿いの明るくさわやかな場所で、山小屋を建てるならここしかないと思ったぐらいだ
が、今回歩いてみるとじめじめしてうっそうとしている。前日に雨が降った影響もあるの
だろう。蛭まで現れて我々を歓迎してくれた。小屋を建てるにはいまひとつか。
そんなこんなで長い道のりだったが、何とか無事にロードにたどり着き今回の下見会(合
宿と呼ぶべきだろう)は終わりを告げた。全員疲労困ぱいである。みなさん、本当にお疲
れさまでした。
11.アフター
大先輩方とは新田のキャンプ場でお別れし、残りのメンバーはとりあえず姫工までもど
った。学校に着いて部室の方に歩いていくと、道で蛭がのたくたしている。これは新田の
山小屋候補地で我々を歓迎してくれた蛭ではないか!ただ、新田で見たときとは少し様子
が違う。尺取虫みたいにスリムだった蛭が、いまは丸々と太って満足げだ。
誰が彼をここ まで太らせたのか?
ねえ、GUNSO。
その後、定例になりつつある焼肉屋での打ち上げ。一口目のビールのうまさときたら。
12.全体の感想
楽しかったです、本当に。縦走路を三国岳まで北上してみたくなりました。山小屋候補地
がどうこういうより、純粋に歩くことを楽しんだ気がします。このような企画を何度かや
って、歩きながら候補地を探すのがいいのではないかと思います。実際、今回歩いてみて
登山口からの林道沿いも候補地としてよいのではないかと思いますし、逆に前回有力候補
地だったところが季節で大きく雰囲気が変わっていたのには驚きでした。
もうひとつわかった、というより思い知らされたことは、
山小屋準備委員に必要なものは
何より体力だ
ということです。次回の企画まで体力維持(増強は望めそうにないので)
につとめます。
わはははっははは。さんざん笑わせていただきました。
素晴らしい力作に仕上がってます!
次回は絵も入れて、マンガにしてください。わはは。
どもドモ、ありがとね〜。